2021年11月07日
鉄砲屋の思い出
最近、と言ってもちょっと前ですが
ある鉄砲屋が店を閉めました
長年通い詰めた鉄砲屋でした
その鉄砲屋に初めて行ったのは私がまだクソガキのころでした
それまでは鉄砲を買うために利用してたのは
近所の文房具屋とかおもちゃ屋でした
そんな時、ちょっと遠い所に鉄砲の専門の店があるという情報を
どっかから仕入れてきた私の胸はとても高鳴っていたのを覚えています
私は期待だけを胸に抱き、その店を訪れました
店に着いた私は不安にかられました
「え?ここ…?」
軒先に灰皿とBDUとギリが置いてあり
メーカーのポスターが貼ってあるのも見えたので
鉄砲屋だということは辛うじてうかがえました
脇に入口がありましたが
ただならぬ雰囲気を感じた私はしばらく付近で戸惑っていました
ですがまごまごしてても仕方ねえ、と思い意を決して店内に入りました
すると狭い店内には数々の商品と、客であろうでかい親父たちでひしめき合っていました
「(ぬお、狭い…親父たちのせいで余計に狭い)」
積み上げられた商品は見たことある物から見たことない物で溢れ返ってました
ずっと奥まで続いているように見えました
今まで見てきたどの店よりも、商品の数も種類も圧倒的でした
年季の入った店舗
天井や壁にディスプレイされた見たことない大きな銃や
ガラスケースの中で輝く70を始めとする拳銃たち
そして店内いたるところに貼り付けられた注意書きw
度肝を抜かれた私は何もできずにあわあわしてました
そうこうしていると奥様らしき女性が私を不憫に思ったのか声をかけて下さいました
「何を探しょん?」
私は助かった、と思いましたw
こうして援軍を得た私はでかい親父たちを押しのけw店主のもとへ辿り着くことができました
店内を一通り見渡せば、ここの店主はきっと偏屈に違いない
という印象を持つのは自然なことだと思うし、事実私も店内の注意書きに委縮していました
援軍を得たとはいえ、その注意書きを書いた男と対峙しなければならないのです
「かわいいお客さんだよ」
的確に私の容姿を表現する奥様
私は決死の覚悟で店主の親父に問いました
「WAのウイルソンタクティカルスペシャルちょーだい」
すると親父はとても低い良い声で
「あれは限定品だからもう無いよ」
と私に言うのです
私は愕然としました
無い
ここにたどり着くまでの苦労の結果が
無い
私は一気に疲れ、そしてしょぼくれましたw
すると親父は幾つかの代替案を提示してくれました
あの非常に個性的な注意書きを書いた人間のものとは思えぬ
きめ細やかな対応でした
「こんなんあるよ」
「似たのがあるよ」
と良い声であれこれ勧めてくれる中に、私の目を引く一つの鉄砲がありました
形は見慣れた、憧れのウィルソンスーパーグレイド
ですがその銃は見慣れたウイルソンとは違い、真っ黒でした
おまけにダブルカラム(後で気づく)
グリップのメダリオンだけが鈍く真鍮色に光ります
スピードコンプWAハイキャパ
「これだ」
と思った私はとっとと金を払い黄色の箱に入ったその鉄砲を受け取り
原付のカゴに入れてお店を後にしました
家でひとしきり鉄砲とたわむれた私は
当然と言うべきか、あのお店のことを思い出しておりました
あのごちゃごちゃしてワクワクする店の出で立ち
商品の山
膨大な注意書き
そして店主の親父
その後、私はそのお店に通うようになります
サバゲを始めた時も
1J規制の時も
更新されない店のHPが開設された時も
新店舗に引っ越した時も
次世代の衝撃が走った時も
新次元がすっ転んだ時も
私にとってはあの店と親父は、私のトイガンの歴史そのものと言っても
差し支えない場所でした
そして多くの思い出が詰まった場所でもありました
親父は話が好きで、色々な話をしてくれました
一番びっくりした話しは昔ラジコン屋だったという話でした
投げ売りの箱には大いに助けられました^^
でもそんなお店も閉店してしまいました
まだまだ、たくさんあのお店で買いたい物があったのですが
もうその願いは叶いません
ありがとうございました
ある鉄砲屋が店を閉めました
長年通い詰めた鉄砲屋でした
その鉄砲屋に初めて行ったのは私がまだクソガキのころでした
それまでは鉄砲を買うために利用してたのは
近所の文房具屋とかおもちゃ屋でした
そんな時、ちょっと遠い所に鉄砲の専門の店があるという情報を
どっかから仕入れてきた私の胸はとても高鳴っていたのを覚えています
私は期待だけを胸に抱き、その店を訪れました
店に着いた私は不安にかられました
「え?ここ…?」
軒先に灰皿とBDUとギリが置いてあり
メーカーのポスターが貼ってあるのも見えたので
鉄砲屋だということは辛うじてうかがえました
脇に入口がありましたが
ただならぬ雰囲気を感じた私はしばらく付近で戸惑っていました
ですがまごまごしてても仕方ねえ、と思い意を決して店内に入りました
すると狭い店内には数々の商品と、客であろうでかい親父たちでひしめき合っていました
「(ぬお、狭い…親父たちのせいで余計に狭い)」
積み上げられた商品は見たことある物から見たことない物で溢れ返ってました
ずっと奥まで続いているように見えました
今まで見てきたどの店よりも、商品の数も種類も圧倒的でした
年季の入った店舗
天井や壁にディスプレイされた見たことない大きな銃や
ガラスケースの中で輝く70を始めとする拳銃たち
そして店内いたるところに貼り付けられた注意書きw
度肝を抜かれた私は何もできずにあわあわしてました
そうこうしていると奥様らしき女性が私を不憫に思ったのか声をかけて下さいました
「何を探しょん?」
私は助かった、と思いましたw
こうして援軍を得た私はでかい親父たちを押しのけw店主のもとへ辿り着くことができました
店内を一通り見渡せば、ここの店主はきっと偏屈に違いない
という印象を持つのは自然なことだと思うし、事実私も店内の注意書きに委縮していました
援軍を得たとはいえ、その注意書きを書いた男と対峙しなければならないのです
「かわいいお客さんだよ」
的確に私の容姿を表現する奥様
私は決死の覚悟で店主の親父に問いました
「WAのウイルソンタクティカルスペシャルちょーだい」
すると親父はとても低い良い声で
「あれは限定品だからもう無いよ」
と私に言うのです
私は愕然としました
無い
ここにたどり着くまでの苦労の結果が
無い
私は一気に疲れ、そしてしょぼくれましたw
すると親父は幾つかの代替案を提示してくれました
あの非常に個性的な注意書きを書いた人間のものとは思えぬ
きめ細やかな対応でした
「こんなんあるよ」
「似たのがあるよ」
と良い声であれこれ勧めてくれる中に、私の目を引く一つの鉄砲がありました
形は見慣れた、憧れのウィルソンスーパーグレイド
ですがその銃は見慣れたウイルソンとは違い、真っ黒でした
おまけにダブルカラム(後で気づく)
グリップのメダリオンだけが鈍く真鍮色に光ります
スピードコンプWAハイキャパ
「これだ」
と思った私はとっとと金を払い黄色の箱に入ったその鉄砲を受け取り
原付のカゴに入れてお店を後にしました
家でひとしきり鉄砲とたわむれた私は
当然と言うべきか、あのお店のことを思い出しておりました
あのごちゃごちゃしてワクワクする店の出で立ち
商品の山
膨大な注意書き
そして店主の親父
その後、私はそのお店に通うようになります
サバゲを始めた時も
1J規制の時も
更新されない店のHPが開設された時も
新店舗に引っ越した時も
次世代の衝撃が走った時も
新次元がすっ転んだ時も
私にとってはあの店と親父は、私のトイガンの歴史そのものと言っても
差し支えない場所でした
そして多くの思い出が詰まった場所でもありました
親父は話が好きで、色々な話をしてくれました
一番びっくりした話しは昔ラジコン屋だったという話でした
投げ売りの箱には大いに助けられました^^
でもそんなお店も閉店してしまいました
まだまだ、たくさんあのお店で買いたい物があったのですが
もうその願いは叶いません
ありがとうございました